redmine(課題管理・情報共有ツール)のメリット・使い方
概要
情報システムの開発・導入プロジェクトには多くのステークホルダー(関係者)が存在します。また大量の課題が発生します。工数が10人月程度のプロジェクトでも課題やQ&Aの数が数100個に達するのは珍しくありません。
このため、大量に発生するステークホルダーとの情報共有や大量の課題を漏れなく効率よく処理する方法が必要となります。
処理方法には主に以下があります。
- Eメール・・・Eメールでやりとり。Excelをメールに添付してやりとりする方法も含む
- オンラインの表計算ツール・・・例.Google SpreadSheet、Office365版Excel
- 課題管理ツール・・・例)redmine, backlog, github issue
弊社では、プロジェクトが正式に発足するときは必ず課題管理ツールを導入します。理由は他の方法と比較して圧倒的にメリット(品質、効率とも)が大きいからです。あわせて、コミュニケーション指針についてもご確認ください。
課題管理ツールを使用するメリット(メールによる課題管理との比較)
他の方法と比較することでメリットを明らかにできます。メールでの課題管理では以下のような問題が発生して、生産性の低下、品質を低下を招きますが、課題管理ツールではこれらの問題を全て解決(もしくは大幅に軽減)できます。
メールによる課題管理のデメリット
- 情報漏えい・宛先入力ミス
- 事故・・・外部の人に機密情報を漏えいしてしまう
- 送信漏れ・・・必要な人に届かない
- 全員To・・・BCCにすべき人を全部CCやTOに入れてしまう
- 送信漏れ・送信エラー・・・メンバーの増減のたびに漏れたり送信エラーが発生する
- 上述したようなことを防ぐために無駄に神経を使う
- 検索性が低い
- 件名と違う話題がはじまりやすい
- 件名と内容が違うと後から探すのが大変
- 属性を付与できない
- 担当者/誰にボールがあるのかわからない
- 状態/完了?進行中?未着手?がわからない
- 期限/いつまでに対応すべきかわからない
- 優先度/どれを優先すればよいのかわからない。
- 他課題との関連・依存関係(親子関係)/関連するやりとりを設定できないので探すのが大変
- 全体の把握・最適化が困難/上述した属性がなく一覧表示もできないため、全体を俯瞰して優先度、担当者、期限等をリバランスするのが大変
- 情報不足による不毛なやりとりの増加
- 上述した情報(担当、状態、期限、優先度)を確認するためのやりとりが発生
- 情報の入力・形式を強制できないので、不具合や要望の際に把握したい情報が漏れるので逆質問発生
- 画像を引用しづらい。類似の用語やキーワードがある場合、どの画面や機能を指しているかの逆質問発生
- 対応漏れ
- 見通しが悪いので対応が漏れる
- 期限が近くなっても自動でリマインドしてくれないので対応が漏れる
- 迷惑メールに振り分けられたり操作ミスでアーカイブしてしまったりで対応が漏れる
- その他
- 遅延・漏れがないように誰かが管理(状態チェック、督促など)しなければならない。
- 業務を誰か(他社)に引き継ぐ時が大変。要件や仕様など意志決定に関わる情報が必須。メールだと探すのも、読むのも大変。
課題管理ツールの種類
著名な課題管理ツールには以下のようなものがあります。
- Redmine(外部サイト)
- Backlog
- Jira
- Github Issue
Redmineの採用理由
機能的な面では、いずれの課題管理ツールも大差ありません。弊社がRedmineを採用する理由は、自社でサーバ・アプリケーションを構築運用できるため費用対効果が優れていることです。(これによりアカウントを無料で無制限に発行できます)
使い方
アカウント申請[必須]
アカウント登録するメールとお名前をredmine管理者にお知らせください。アカウントはいくつでも発行できます。
ログイン[必須]
アカウントが作成されると以下の様式の招待メールが届きます。招待メールには「ログインID」「初期パスワード」「ログインURL」などが記載されています。ログインURLからログインします。パスワードは初回ログイン後に変更が必須となっています。
ブックマーク[推奨]
よく利用するURLをブラウザにブックマークしておくと便利です。おすすめはチケット一覧です。
またブラウザ起動時に自動で表示されるようにしておくとさらに便利です。
チケットの確認
右側にあるカスタムクエリで自分の担当だけを表示できます。自分の担当を処理して「終了」もしくは「他担当者を設定」するのがゴールです。
作業のコツ/期限と優先度
担当するタスクが多い場合は、期限と優先度を見て対処順を検討してください。一覧の見出し部分をクリックするとそれぞれの昇順・降順で並べ替えできます。
作業のコツ/優先度の考え方
感覚的なものでやや曖昧なのですが概ね以下のような位置づけとなります。(「低め」「最低」は通常以上が片付いてから参照すればよいと考えてください。)
優先度 | 位置づけ |
最低 | 通常使用しない。備忘レベルの要望。 |
低め | 対応が遅れても問題がないレベルの調整(軽微な文字列変更など) |
通常 | 通常 |
高め | 不具合(とりあえず他の作業はすすめられる) |
急いで | 喫緊の不具合(修正しないと作業が進まない) |
今すぐ | 電話連絡が必要なレベルの重篤な問題(例.サイト表示できない) |
チケットの処理
- 各チケットの編集リンクをクリックします。
- 対応内容を入力します。
- (必要に応じた)ステータスを更新します
- ステータスはチケットの種別(課題、周知、Q&A)により異なります。対応後に該当する状態を設定してください。(例.対応完了、回答済、終了)
- ★重要★担当者を変更します
- 対応後のチケットの担当者を指定します => 担当が変わっていないと対応が漏れますのでご注意ください。
- 送信ボタンを押して確定
送信済(更新済)のチケットの内容を変更したい
- 「編集」リンクをクリックして更新してください。
- コメントの変更
- 編集から追加してもよいですがコメント増やしたくない場合は自身が更新した投稿の右側に表示される「ペン」アイコンをクリックすると更新できます。
投稿時に留意する指針
以下に留意します。
- 一チケット一内容・・・チケット内容と関係ない質問等を記載しない。関連する話題でも担当者や期日、優先度が異なる場合は、別チケットとして起票します。(チケット間で「関連」「親子関係」を設定することができます。)
- スクリーンショットの活用・・・「百聞一見に如かず」です。スクリーンショットを多用することでコミュニケーション効率が格段に向上します。スクリーンショットと共有URLを簡単に取得できるツール(例. gyazo )の利用を推奨します。有料版だとGIF動画や画像の編集が可能となります。
- 厳密な用語・・・システムには類似の機能や画面が存在することがあります。区別するために画面や文書で使われている用語を厳密に使います。自分で創作した用語を使うと無駄なやりとりが必要となり生産性が低下します。(この画面のこと?この機能のこと?もしくは勘違いして手戻り発生)。スクリーンショットを活用することで多少曖昧になっても大丈夫です。
よくある質問
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アカウントは最大いくつまで発行できますか?利用料金は必要ですか?
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無制限に発行します。料金は無償です。
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アカウント管理が面倒なので関係者全員で1つのアカウントを共有してよいですか?
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課題管理を効率的に実施するには「この課題は、誰が担当しているか?」がひと目でわかる必要があります。したがって担当者は「個人」であるほうが好ましいです。アカウントは無制限に発行できます。
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新しいことを覚えるのが大変です。メールでお願いします。
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メールによるタスク管理には多くの問題点がありプロジェクトの失敗に直結します。慣れればメールよりはるかに便利なので覚えてください。
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大量のメールが届いて困ります。
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アカウント発行時は「所属しているプロジェクトの全てのメール」を受信するように設定しています。全体を把握している必要がない場合は、以下の操作で通知をへらすことができます。
「個人設定 > メール通知」で「ウォッチまたは関係している事柄のみ」に変更
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チケット内で画像を表示させる方法は?
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半角記号のビックリマークで画像URLを囲みます。画像の引用は意思疎通を確実に行うために非常に有用です。その一方スクリーンショットをとって添付するのは面倒な作業です。弊社では簡単にスクリーンショットとその共有URLを取得できるツールとして「gyazo有料版」の活用を推奨します。
!画像URL!
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チケット内に表で掲載する方法は?
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半角記号の”|”で区切ることで実現できます。
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その他の記法は?
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編集したときに表示されるツールバーの右端のアイコンをクリックして確認できます。