月次レポート
月次レポーティングサービス#
ちいプラは、サイト構築時に以下のデータ分析ツールと連携設定した状態で納品いたします。
管理者権限でご招待いたしますので、自由に閲覧・修正が可能です。
- Google Anaytics 4・・・会員登録・予約成立をコンバージョン(キーイベント)設定済
- Google TAG Manager
- Goolge Search Console
- Google Looker Studio
Google Looker Studioでは、基本的な分析観点を可視化したレポートを提供しています。 このレポートは月初に自動で配信されます。
自動配信レポートの基本情報#
毎月月初に希望する方に配信します。分析観点は以下となります。
- 分析観点1・・・利用者属性、利用傾向(新規・リピート、居住地、年代、利用OS、利用ブラウザ、利用デバイス、利用曜日・利用時間帯等
- 分析観点2・・・検索クエリのクリック率や掲載順位、流入元のトラフィック量や質・コンバージョン率
- 分析観点3・・・各ページのトラフィック量
レポートの活用方法#
データは、蓄積するだけでは意味がありません。 洞察を得て、具体的な意思決定やアクションにつなげることで初めて「価値」を生み出すことができます。
分析とアクションには戦略レベルのものと戦術レベルのものがあります。
戦略レベルでの活用方法#
自地域の特徴を理解します。商圏、利用者の属性、強み・弱みをデータとデータ以外の地域資源を加味して評価します。
※ちいプラは様々な地域で活用されているので、その平均値と突き合わせることで地域の特徴を把握することもできます。
明確になった「強み」をより強化するための大きな方向性を決定します。 これは、各戦術より上位に位置するものです。
「弱み」については、弱みを改善しても強みにはならない。ということを理解することが重要です。 弱みの改善に限りある経営資源(時間、資金、人)をとられないように廃止を含めて検討することが重要です。 具体的には、閑散期の集客に悩んでいる場合に、「特別企画」や「割引」を考える前に「営業しないのはどうだろうか?」と考えるのです。 (実際に「冬季休業」を選択することで、万年赤字の施設を黒字化した例があります。従業員の長期休暇~繁忙期は逆に協力してもらう~といった副産物も実現しました)
この「弱い」部分への対処として廃止を最優先に考えるのは、業務改善における「ECRSの4原則」として有名です。
【参考】ECRSの4原則で始める、引き算の改善|ものづくりの現場トピックス | キーエンス
策定された戦略は、組織内だけでなく、組織外のステークホルダーを含めた関係者に認識されている必要があります。
エピソード/ソフトバンクでデータが重視される理由
NYANGOは、広告代理店最大手D社が、重要なクライアントである携帯電話各社(Docomo、au、Softbank)に提供しているデータ可視化ツールの開発・運用に3年ほど携わっていたときがあります。(炎上案件をレスキューしたのですがそれは別の機会に)
その当時、停滞するドコモとauをしり目に、白戸家の広告でソフトバンクが急成長している時期でした。 その時にD社の当該担当者から聞いたエピソードです。
「このデータ可視化システムを真面目に活用しているのはソフトバンクだけ。マーケターが利用するのは当たり前だが、(体育会系な傾向の強い)営業の人も使っているのが凄い。孫さんが誰よりも重視しているから。データがないと話を聞いてもらえないらしい。」
データ利活用する強い組織を確立するには、トップが率先してデータ活用するのが何よりも重要です。
ユーザー行動の分析例/GA4#
得られる洞察#
■ユーザーの訪問経路とエンゲージメント率:
- 各参照元(例: オーガニック検索、ソーシャルメディア、広告など)からの訪問数、エンゲージメント率、コンバージョン率を分析します。
- どのチャネルからの訪問者が、実際に予約や問い合わせを行っているかを確認することで、効果的な集客チャネルを特定できます。
■滞在時間とページビュー数の多いコンテンツ
- 各ページの平均滞在時間、ページビュー数、直帰率を確認し、ユーザーがどのページに最も関心を持っているか、どのページで離脱しているかを把握します。
- サイト内で最も閲覧されている宿泊プランやアクティビティのページを特定し、その内容をさらに充実させることが可能です。
■コンバージョンファネルの分析
- ユーザーがどの経路をたどって最終的に予約に至るかをファネル分析(例: トップページ → プラン詳細ページ → 予約完了ページ)で確認します。
- 各ステップでの離脱ポイントを特定し、離脱率が高いページの改善(例: 内容の充実、ナビゲーションの見直し、フォームの簡略化)を行います。
具体的なアクション#
■主要な参照元チャネルに対する広告投資の最適化
- 予約や問い合わせが多いチャネル(例: オーガニック検索、SNS)に対して広告費用を集中させる。
- コンバージョンの低いチャネルに対しては、広告クリエイティブやランディングページの見直しを実施。
■滞在時間が短いページのコンテンツを改善
- 滞在時間が短く、直帰率の高いページの内容やレイアウトを見直し、ユーザーの興味を引く情報を追加する(例: 実際の宿泊体験やアクティビティのレビューを表示)。
■ユーザーファネルで離脱率の高いポイントの最適化
- 離脱率の高いページ(例: チェックアウトページ)で、予約プロセスを簡素化し、フォームの項目数を減らす。
- ユーザーが安心して予約を進められるように、ページ内に問い合わせ先の表示やFAQを設置。
検索トラフィックの分析/Search Console#
得られる洞察#
■検索クエリ(キーワード)のパフォーマンス:
- Search Consoleで、どの検索クエリ(キーワード)でサイトが表示され、クリックされたかを確認します。特に、宿泊やアクティビティの地域名が含まれるキーワード(例: 「〇〇市 ホテル」「〇〇町 アクティビティ」)に注目します。
- 検索結果のクリック数や掲載順位を確認し、検索パフォーマンスが高いキーワードと低いキーワードを特定できます。
■平均掲載順位とクリック率(CTR):
- サイトがどのキーワードで平均的に何位に表示されているか、またそのキーワードに対するクリック率がどの程度かを分析します。
- 平均掲載順位が高いのにクリック率が低い場合は、タイトルやメタディスクリプションを改善する余地があることを示します。
■地域別パフォーマンスの確認:
- 地域別(例: 都道府県、市町村)に検索パフォーマンスを分けて確認し、特定の地域からのアクセスが多いか、または少ないかを分析します。
- 現地のイベントや季節要因に合わせたSEO施策を検討できます。
具体的なアクション#
■クリック率の低い検索クエリの改善:
平均掲載順位が高いがクリック率が低い検索クエリについては、タイトルやメタディスクリプションを改善し、ユーザーのクリックを促す(例: 「〇〇町のベストホテル」→「【公式】〇〇町のおすすめ宿泊プラン – 予約特典あり」など)。
■上位表示されていない検索クエリに対するコンテンツ強化:
上位表示されていないが、検索ボリュームが多いキーワードに対して新しいページやブログ記事を作成し、コンテンツを充実させる(例: 特定地域の観光ガイドや、アクティビティ体験記)。
■地域別SEO対策を強化:
アクセスの少ない地域や新たにターゲットとしたい地域に対して、地域名を含むキーワードを盛り込んだ新規ページや記事を作成し、地域ごとの検索エンジンでの表示を改善する。 特定の地域からのアクセスを増やすために、地域の観光名所やイベント情報を盛り込んだコンテンツを作成する。
コラム/データ利活用の考え方#
コラム1/データを活用した意思決定と、経験・勘に基づく意思決定の違いは?#
データを活用しない意思決定は、「経験・勘・度胸(KKD)」に頼ることになります。
では、この方法の問題点は何でしょうか?
いくつかの課題がありますが、最も大きな問題は、意思決定の精度よりも、経験の豊富な人や声の大きな人の意見が優先されやすいことです。
このような状況では、若手社員が意見を述べる場がなくなり、納得感も得られません。結果として、無気力になったり、最悪の場合は退職してしまうこともあるでしょう。
「経験」に基づく意思決定にはリスクがあります。それは、経験に頼った意思決定が「類似したシチュエーション」でしか役立たないという点です。「賢人は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言われるのもこの理由からです。
現代は環境変化の激しい時代です。過去の常識や経験はもはや通用せず、むしろ変化への適応を妨げる「有害」なものになることさえあります。
データの収集が容易なインターネットを活用した取り組みでは、あらゆる意思決定のプロセスでデータを参照することが重要です。 (意思決定に必要なデータがすべて揃うということはありません。意思決定は最終的には決断力・胆力を問われます。経験や勘はそのような時に役立つのではないでしょうか)
また、デジタルネイティブ世代の若手社員を意思決定に関わる重要な業務に携わらせることは、彼らのやりがい向上にもつながります。
コラム2/データ活用で期待できる効果#
データを活用することで、より精度の高い意思決定やアクションを取ることが可能になります。
ところで、一部の悪質な業者は「データ活用で画期的な洞察や革新的なアイデアを得られる」といった過剰な期待を煽ることがありますが、実際にはそのような成果が得られることはほとんどありません。 少なくとも、弊社ではそのような事例は聞いたことがありません。
データ分析によって得られる主な効果は、以下の通りです。
- 俊敏さ: データに基づく意思決定は、誤った仮定を素早く排除できるため、無駄な議論や検討の時間を減らし、意思決定のスピードを向上させます。
- 損きり:仮説が間違っていた場合に、俊敏に撤退判断を行えます。致命的な失敗を犯すリスクを軽減できます。
- 意思決定の精度向上: データをもとにした意思決定は、正解に近づく可能性を高め、間違いを避ける確率を高めることができます。
- 合意形成の促進・説得力・納得感の向上: チームやステークホルダーに対して、データを示すことで論理的に説明でき、納得感を得られやすくなります。これにより長期的・持続的な支持・支援を引きだすことが可能となりプロジェクトの成功確率を高めます。
コラム3/データ活用効果と複利効果#
前節で「データ活用で画期的な洞察やアイデアが導かれることはめったにない(ほぼゼロ)」と述べましたが、これを持って「データ活用の意味がない」と考えるのは早計です。
複利効果を忘れてはいけません。
たとえばデータ活用をしている地域(地域A)としていない地域(地域B)を比較してみましょう。
- 意思決定の際に、データ活用をしている地域Aの成長度を年率+1%とします
- 意思決定の際に、経験と勘だけを頼りにしている地域Bの成長度を年率ー1%とします
1年後、どうなっているでしょうか?目に見えた差はないでしょう。
3年後、どうなっているでしょうか?これも目に見えた差はないでしょう。
このあたりから「データ活用に投資しているけど本当に意味があるのかな?」と迷いが出てきたり、部外者(=長期的視点のない、過去の体験を絶対視する、経験豊富な偉い人)から「データ活用なんて意味がない」と言うネガティブな意見が強くなってきます。
データ利活用プロジェクトを継続するための正念場です。プロジェクトマネージャの腕の見せ所です。
それでは、30年後はどうでしょうか?ここまでくると誰の目にもはっきりとした違いとして認識されます。ほぼ倍の差になります。
これが複利効果です。
「ほんの僅かの違いが長期間にわたって積み重ねられると大きな違いを生み出す」のです。