汎用パッケージと専用パッケージの長所・短所

ちいプラ(地域旅行商品販売プラットフォーム)は、地域OTA(地域型OTA、地域版OTA、観光DX)を実現するためのワンストップソリューションです。オンラインでの宿泊予約とアクティビティ予約とその管理に必要な機能を網羅しています。地域の情報発信、予約、決済、データ利活用まで一気通貫にサポートします。

はじめに/ちいプラの提供価格が安価である理由

ちいプラの提供価格は「(高機能・高可用性・高セキュリティを備えた)本格的な情報システム」としては安価です。安価な理由の1つは、どのクライアントでも共通の汎用パッケージ(同一のソースコード・データベース構造)をご利用いただいていることです。これはフルオーダーメイドの洋服が高く、大量生産される既製服は安いことと同じです。

「ソースコードやデータベース構造は同一」だけど、サイト全体のイメージ色、サイトロゴ、キービジュアル(TOPページのメイン画像)やナビゲーションメニュー、独自の検索条件、独自のコンテンツ(HTML)等にオリジナル情報を登録できますのでサイトの独自色は表現できるニャ

汎用パッケージで対応が難しい機能・要望

一方で、汎用的なパッケージでは、クライアントの特殊な要望への対応が困難です。例えば以下のようなケースです。

  • 他システムとの連携
  • クライアント特有の情報の登録や掲載・・・たとえば「温泉推し」サイトだと温泉情報を充実させたい
  • 標準機能の無効化・・・有効無効を切り替える機能の設計・実装コスト、有効・無効それぞれの場合に正常動作するかの動作確認コストが増大します。

どのクライアントにも有用な機能であれば、標準パッケージに実装できますが、そのクライアントでしか利用されない特殊機能がどうしても必要な場合は、専用パッケージをご検討頂くことになります。ただし標準バッケージと別に専用パッケージをご用意して維持管理することはシステム開発会社(弊社)の負担が大きく(※)なります。このため提供価格が「高額」にならざるを得ません。以降で標準パッケージと専用パッケージの違いについて整理しました。専用パッケージのデメリットが許容できない場合は、標準パッケージでのご利用を強く推奨いたします。

(※)ソースコードが分離してしまうと同じ改修作業(設計・実装・試験)を2箇所で行う必要があります。異なる進化によってソースコードやデータベースの差が大きくなるにつれこの負担は増大します。

標準パッケージと専用パッケージの違い(長所と短所)

標準パッケージと専用パッケージの違い(長所と短所)を以下の表にまとめてみました。専用パッケージのよいところは「独自機能が実装できる」という点だけで、それ以外はデメリットしかありません。提供価格が高額になってしまいます。特に留意頂きたいことは以下の2点です。

  • セキュリティ系の機能改良・バージョンアップは「避けられない・必須」であること・・・システム基盤(OSやミドルウェア)やアプリケーション基盤(フレームワーク・ライブラリ)は常に進化しており半年から数年ごとに古いバージョンはサポート切れとなります。サポート切れた場合、セキュリティパッチが提供されなくなり危険なのでバージョンアップが必須となります。
  • バージョンアップを怠った場合、10年後には「陳腐化」している可能性が極めて高いこと・・・例)スマホが普及していない時代はパソコン用表示だけで良かったが現在はスマホ表示の対応必須

比較観点標準パッケージ専用パッケージ
維持管理費安い高い
クライント独自機能の対応不可
無償バージョンアップの提供提供あり提供なし
セキュリティ系修正の提供無償提供有償提供

専用パッケージを選択することが妥当なケース

専用パッケージを選択することが適切な場合もあります。それは、以下の条件が整っている場合です。この場合、専用パッケージをご検討ください。該当しない場合は、標準バッケージのご利用を強く推奨いたします。

  • その独自機能が「競合との差別化・競争力の源泉」となる場合
  • お客様のビジネスが成熟して十分な収益があり、高額な維持管理費用の支出が可能である場合

参考記事

標準パッケージが良いか?専用パッケージ(独自システム/スクラッチ開発)のどちらがよいかやその比較観点については、システムの開発運用では「よくある話題」です。

本記事以外にも様々な記事がありますので参考にしてください。いずれの記事でも「専用パッケージ」は「高額になる」ということが記載されていることがご理解頂けると思います。

まとめ

本記事では、独自機能を実装もしくは標準機能を無効化したくなった場合の考慮事項について記載しました。参考になれば幸いです。