【地域OTA】JTB BOKUN(JTBボークン)とちいプラの比較
ちいプラ(地域旅行商品販売プラットフォーム)は、地域OTA(地域型OTA、地域版OTA、観光DX)を実現するためのワンストップソリューションです。オンラインでの宿泊予約とアクティビティ予約とその管理に必要な機能を網羅しています。地域の情報発信、予約、決済、データ利活用まで一気通貫にサポートします。
ページコンテンツ
はじめに
地域OTA(地域特化型OTA、地域版OTA)は新しい概念であるため、その実現を支援するシステムはほとんどないのですが、ゼロではありません。本記事では「ちいプラ」以外の地域OTAの実現を支援するシステムとして「株式会社JTB」が提供する「JTB BOKUN」について紹介します。比較検討にお役立ち頂ければ幸いです。
JTB-BOKUNの料金改定/2024年8月1日~
2024年8月1日から最安プラン(エントリー)でも月額使用料が発生するように改訂されました。JTB-BOKUNは、各体験事業者がBOKUNと契約して、それをとりまとめて地域OTAサイト風に見せる仕組みです。したがって、各体験事業者ごとに月額使用料が必要となります。
閑散期は営業しない事業者や月に数回回しか営業しない事業者様の場合、利用継続は困難と思われます。(JTB社も当然、そういった現実は把握しているでしょうから、そのような事業者は切り捨てるという判断をしたのだと考えられます)
ビジネス(利益至上主義)としては、悪くない判断かもしれませんが、疑問もあります。
理由は、副業的に体験プログラムを提供している人は、地域の特色、地域文化の担い手であることが多いからです。
例えば、(収穫できるかさえもわからない)地域の旬の食材を使って腕によりをかけた料理プランはリクエストがあった時だけ提供されます。こういったプランは量の安定確保や作りおきが必要な大規模チェーンのホテルでは提供できません。他には、募集と同時に枠がうまってしまう南三陸町の大人気プラン「化石発掘」は月に数回の開催です。主催者はなんと漁師です。
ちいプラは、こういった「地域を楽しくする個性的な人」「地域文化のにない手」が経済的な負担なく参画できることを念頭にようこれからも取り組んでまいります。
JTB BOKUN(JTBボークン)とは?
株式会社JTBが提供する体験・アクティビティ予約管理ツールです。公式ページはこちらです。
海外ベンダー(Tripadviser子会社)により開発されているBOKUNをJTB社が日本向けにローカライズしたものです。本家BOKUNでは利用料金は月額49ドル+成約手数料1.5%ですが、JTB-BOKUNの場合は月額1900円+3.5%、4,900円+1.%、24,900円+1.25%のいずれかを利用できます。単体の事業者向けのシステムをAPIによって見た目上、地域OTA風のサイトを実現しています。
導入先として「観光協会/DMO/自治体」を想定しているのは「ちいプラ」と同じですね。
導入事例ページ(JTB BÓKUNの導入をきっかけに弘前市が進めた有償ガイド育成の取り組みとは?)では主な機能として以下のように記載されています。
- 自社ホームページでの体験商品の販売
- ユーザー同士での体験商品の相互販売
- 海外OTA(Viator、KLOOK、GetYourGuideなど)との接続
- 体験商品の予約・在庫の一元管理(チャネルマネージャー)
- 販売データおよび顧客データの分析
弊社で実際に運用されているサイト( にし阿波 > 体験予約 )を確認してみて理解できたことや印象は以下となります。
- 自社ホームページでの販売は、サイト内のプラン詳細ページに予約ボタンを設置することで可能となります。
- 観光情報を掲載しているWebサイトはすでに大半の観光協会・DMOが所有しているので、その仕組を活用できるのはとても良いと思います。
- また、予約ボタンをクリックした後も外部の予約サイトに移動するのでなく、ポップアップ画面内で予約手続きが完了します。
- これは顧客体験・地域ブランディングを損なわないので優れたインターフェースだと思います。(新規に予約サイトを立ち上げるための「Webサイトビルダー」(月額4,000円)も用意されているようです)
英語対応やちいプラと同様に「即時予約」だけでなく「問い合わせ予約」にも対応しています。ちいプラが対応していない機能だと「海外OTA連携(Viator,Expedia)」があげられます。
プラン登録代行サービスが無償(最大10プラン)で提供されているのは、導入自治体としてはありがたいのではないでしょうか。ここは弊社としても対応してまいります。
2023年5月現在で8つの地域で活用されています。「JTB」というブランドには、旅行業界では圧倒的な存在感・信頼感があるので、今後、活用が増えていくのではないでしょうか。
同じようなビジョンをかかげているので一緒に「地域OTA」を盛り上げていければと思います。
比較表
機能関連
アクティビティ予約に関しては、ちいプラよりJTB BOKUNのほうが海外対応など機能が充実しています。一方で地域OTAで欠かせない「宿泊予約」はできません。
開発元が海外であるため、遅い(海外にサーバーがあるため)、もともとは単独事業者向けの機能で地域OTA用の設計ではないので、検索条件に柔軟性がなかったりといった点がご不満で、ちいプラを選択していただくことが多くなっています。
# | ちいプラ | JTB BOKUN |
---|---|---|
アクティビティ予約 | 対応 | 対応 |
問合せ予約/リクエスト予約 | 対応 | 対応 |
宿泊予約 | 対応 | 非対応 |
自社専用サイト | 対応 ※既存サイト内への埋め込みは対応中 | 対応 ※ウィジェット(予約ボタンや詳細情報)を自社サイト内に埋め込み ※サイト構築用機能「サイトビルダー」もあり |
独自ドメイン利用 | 可能 | 可能 |
アソビューなど複数サイト・海外OTAでの販売 | 不可 | 可能 |
登録できる体験プログラムの開催頻度の制限 | なし | 不明 |
各事業者自身での商品登録・在庫調整・予約管理 | 可能 | 不明(運営者が一括登録?) |
他予約サイトでの販売 | 不可 | 可 |
海外OTAでの販売 | Viator(2024予定) | 可(Viator,Expedia) |
検索機能 | ・条件検索(利用日、利用人数など) ・地図から検索 ・キーワード検索 ・タグ検索(地域独自の任意タグを追加可) ・独自カスタマイズ(例.泉質別適応症検索) | ・キーワード検索 ・条件検索・・・以下の課題があり使い勝手が悪い ■BOKUNの課題 ・利用日を指定した検索ができない ・既定の属性・タグのみでカスタマイズ不可 ・地域OTAサイトには不要な「国」「地域」のフィルターが表示されてしまう |
性能 | 速い(国内サーバー) ※利用頻度の高い検索条件はキャッシュしており瞬時に表示 | サーバが海外にあるため遅い |
インバウンド対応
# | ちいプラ | JTB BOKUN |
---|---|---|
多言語対応 | 英語 ※2024年に韓国語、中国語(繁体字・簡体字)に対応 | 対応(英語) |
クレカ決済 | 対応 | 対応 |
通貨表記 | 未対応(円のみ) | 未対応(円のみ) |
導入・利用料金関連
公式サイトに掲載されている情報は以下です。立ち上げ初期は、スタンダードプラン(固定費=ゼロ、手数料=5%)で開始して、定常的に売上が見込めるようになったらプレミアムプラン(固定費=月額5千円、手数料=1.5%)に移行するような設計になっています。
実際の導入や現実的な運用(たとえばクレジットカード決済)を行うためには追加料金が必要というケースが多いので、詳細は要確認となります。
ちいプラとの比較表
# | ちいプラ | JTB BOKUN |
---|---|---|
納期 | 契約締結後、3営業日 | 不明 |
料金/初期費 | 無料 | 無料 |
料金/クレジットカード決済対応、決済手数料 | 【決済機能】無料(PAY.jp) 【固定費】0 【手数料率】1.5%※トラベル特典適用時のVisa/Master | 【固定】無料 【手数料率】3.6% |
料金/保守運用費 | 【固定】0 【手数料】2% | ■エントリー 【固定】1,900円/月/事業者ごと 【手数料】3.5% ■ベーシック 【固定】4,900円/月/事業者ごと 【手数料】1.5% ■アドバンス 【固定】24,900円 【手数料】1.25% ※固定費は参画事業者ごとに必要 ※2024年8月1日から最低プランも有償化 |
最低利用期間 | 6ヶ月 | 不明 |
支払い方法 | 請求書払い クレジットカード払い | 不明 |
BOKUN料金プラン/2024年8月1日以降
2024年8月1日から最安プラン(エントリー)でも月額使用料が発生するように改訂されました。JTB-BOKUNは、各体験事業者がBOKUNと契約して、それをとりまとめて地域OTAサイト風に見せる仕組みです。したがって、各体験事業者ごとに月額使用料が必要となります。閑散期は営業しない事業者や月に数回回しか営業しない事業者様の場合、利用継続は困難と思われます。(JTB社も当然、そういった現実は把握しているでしょうから、そのような事業者は切り捨てるという判断をしたのだと考えられます)
“【地域OTA】JTB BOKUN(JTBボークン)とちいプラの比較” に対して2件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。