ちいプラの提供条件(首長・運営法人トップのコミット)

ちいプラ(地域旅行商品販売プラットフォーム)は、地域OTA(地域型OTA、地域版OTA、観光DX)を実現するためのワンストップソリューションです。オンラインでの宿泊予約とアクティビティ予約とその管理に必要な機能を網羅しています。地域の情報発信、予約、決済、データ利活用まで一気通貫にサポートします。

はじめに

観光庁が地域OTAサイトの導入を登録DMOに事実上義務付けました。これによって弊社「ちいプラ」への問い合わせが多くなっています(5・6月だけで7件)。これは喜ばしいことですが、一方で不安もあります。

この不安を解消するために「ちいプラ」に、経済的条件以外の提供条件を追加することにしました。この記事では、その具体的内容と背景を記載しました。

背景

「ちいプラ」への問い合わせが多くなっています。これは喜ばしいことですが、一方で新たな不安が生まれてきました。

これまでは、「地域OTA」のイメージを描いてから「こういうことをやろうと思ってるんだけど、御社のシステムでできますか?」と問い合わせてくる地域様ばかりでした。つまり主体的で本気ということです。ところが最近の問い合わせは「国からお金が引っ張ってこれるから」という「安易な気持ち」の地域様がいらっしゃる印象です。これが地方(特に田舎)に分不相応に華美で活用されていないハコモノが多い理由なんでしょうね。

観光庁が「地域創生の切り札」と意気込んでいるとおり、確かに「地域OTA」は地域活性化の極めて有効な一手段です。それだけのポテンシャルを備えていると考えています。例えば以下のような効果が期待できます。

  • 地域ブランディング(知名度や好感度の向上)活動をささえる使途自由で持続可能な独自財源の獲得
  • 人材雇用・育成の場
  • デジタル化によるお客様の利便性向上
  • デジタル化による域内事業者の生産性の向上
  • データ利活用による販売促進
  • データ利活用による良質なお客様の識別・関係構築(=関係人口の拡大)

ただし、残念ながら「ちいプラ」を導入すれば万事OKというわけでありません。ちいプラのような予約サイト・管理システムは必須ですが、十分ではありません。成果をだすためには他にも必要な要件があります。それを記載したのが以下の記事です。

FAQ/地域OTA立ち上げ後の集客が不安です(成功要件と先行地域の実績)

この記事では、「安易な成功は期待できない」事を明記するとともに、やるべきことについて記載しています。そして、(サンプル数は少ないですが)本気で取り組めば、成果を出せることを先行地域さまの実績とあわせて提示しています。

背景2/地域OTAが失敗の烙印をおされることの損失

弊社の損失

期待した成果が得られない場合、その根本的原因がその地域の主体性や本気度の低さだったとしても、「ちいプラの機能・使い勝手」や「地域OTAというコンセプト」に責任転嫁されるのが目に見えているからです。これは弊社にとって死活問題です。弊社は「失敗事例」を生みたくありません。

地域側の損失

さらに弊社だけでなくその地域にも大きなマイナスとなります。「失敗」と烙印を押されてしまうと、必ずいる地域内の保守的・懐疑的な事業者や住民の「ほれ、みたことか」という指摘が説得力を持ちます。これによって、その地域から「行政・三セクに対する信頼」「挑戦する気概」が失われて、努力する人を「冷笑」したり「足を引っ張る」ような文化が定着してしまいます。これは長期的にはその地域の存続に関わってくる大きな損失です。

(経済条件以外の)ちいプラの提供条件

いよいよ本題です。

地域OTAを成功させるには、その地域が主体的かつ本気で取り組む必要があります。この本気度を担保するために以下の条件を追加することにいたしました。

  1. 地域OTAサイト開設と同時に、記者会見を開催
  2. 記者会見には、その地域の首長と地域OTA運営法人のトップ、実務リーダが出席する
  3. 記者会見の中で、地域OTAのビジョン・狙いを評価指標(KPI)とともに語り、コミットする旨を明言する

この実行を約束していただけない地域様には、申し訳ありませんが提供しないこととさせて頂きます。

2023年6月28日
株式会社NYANGO
代表取締役社長
勝又伸一