地域OTAの成功の秘訣は?

地域OTAの成功の秘訣は何でしょうか?

そもそも、「どの地域でも通用する秘訣があるのか?」という疑問はありますが、20近くの地域・団体(成果を出している地域、成果をだせない地域)の取り組みに接してきて「根本的に重要だな」と感じていることがあるのでまとめてみました。

参考になれば幸いです。

最も重要な考え方

  • アンチパターンを学び、陥らないこと
  • 運営法人(DMO、観光協会、観光連盟等)の求心力を確立すること

どんなアンチパターン?

アンチパターンには色々とありますが、最も重要なのは「地域OTAは、参画事業者にとって短期的にメリットのある話ではない」ということを理解するところからはじまります。

「地域OTAやりますー」「デジタル化で業務の効率化・省力化できますー」「大手OTAより手数料安いですー」なんて事業者にとっては魅力的な話ではありません。これまで慣れ親しんだ仕組みの中で業務をまわしているほうが「楽」に決まっています。

特に規模の大きな宿泊施設になると、陳腐化しつつある常識で業務のデジタル化・最適化が完了しています。その場合、地域OTAという最新のIT技術/コスト構造がもたらす新常識に「違和感」を感じますし「面倒」とより強く感じるようです。(変化することに生理的に「反発」「反論」「抵抗」したくなる保守的な人は少なくありません。)

例外的に業務のデジタル化が皆無な状況で人手不足や事業承継に悩んでいる事業者の場合、運営法人の支援をうけながら、ちいプラで安価にデジタル化完了できる「地域OTA参画」は大きなメリットになるニャ。初期学習だけ頑張れば、効率・品質・収益の向上が確実ニャ。

※地域OTAと親和性が高い事業者~宿泊施設~は、デジタル化の進んでいない小規模な宿泊施設ニャ

求心力はどうやって確立すればよいのか?

前節で「地域OTAは、事業者にとって短期的にメリットのある話ではない」ということは認識していただけたかと思います。

それでは、どうやって参画してもらえばよいのでしょうか?

事業者が「よし、協力してあげよう」と考えてくれる「求心力」は何によりもたらされるのでしょうか?

「求心力」を得るには、地域OTAで運営法人にお金とデータを集積することの意義が明確であることが重要です。より具体的にいうと、以下の2つのストーリーが必要です。

  • 中長期的に地域全体のブランド(知名度・好感度)が向上して、地域全体の集客力向上と高付加価値化が実現できるというストーリー
    • 稼げる地域、誇りを持てる地域になる
  • 単独の事業者では創出が困難な価値を生み出せるというストーリー
    • 例えば、地域に密着・精通したマーケティング人材を育成するための仕事量、報酬を用意できる

よくできたストーリーが描けてもそれで終わりではありません。そのストーリーは共感を得る必要があります。

共感を得るには「絶対に実現する」と公言できるその地域で暮らす挑戦者の存在が欠かせません。これは外部コンサルには務まらない役割です。こういった人物がいるかいないかが決定的に重要です。

求心力を維持・高めるためには?

共感を獲得して終わりではありません。熱狂・興奮は時とともにすぐに醒めます。地域OTAは、長期的なプロジェクトです。獲得した共感を持続させるためには、以下の3点セットが必要です

  • 明確なビジョンとゴールイメージおよびざっくりとした中期計画・マイルストーン
  • KGI/KPI・・・地域OTA効果を測定できる指標(自主財源獲得額、地域内調達率、…) ※入れ込み数や観光客消費額だけでは地域OTA効果は見えません
  • 報連相・・・ステークホルダーにマメに報告・連絡・相談する

まとめ

簡単ですが、これが今のところ「成功の秘訣」と言えるものかなと思います。ここをすっとばして「地域OTA」やるぞ!と意気ごんでも、徒労に終わるでしょう。

※NYANGOは、「完全成功報酬」(=数年は持ち出し)という形で地域OTAの成功にコミットしているので、成果を出せる見込みのない地域様にはちいプラを提供しておりませんし、提供し続けることもできません。既に提供した地域様に対しても見込みがない(=上述した要件を満たしていない)と判断した場合、提供を終了いたします。