【参考】ちいプラ(地域OTA)を含めてソリューション提案したいベンダー様・コンサル様への手紙

背景

ちいプラは、2016年3月に南三陸町(宮城県)の「みなたび」として、産声をあげました。地域OTAを実現できるパッケージソフトウェア(情報システム基盤)です。観光庁の表現を借りると「地域の情報発信と予約・決済をシームレスに提供できる地域サイト」を構築できます。

地域OTA導入することにより以下の効果が得られます。

  • 地域の経済循環を高める(主なKPIは、自主財源額、地域内調達額)・・・臨機応変に事業環境やお客様のニーズの変化に適応したり、長期的投資が必要なブランディング(知名度、好感度の向上)・人材育成(職場・雇用・発注)が可能となる
  • データ利活用・・・意思決定や施策の精度を向上させます。
  • この取り組み・好循環を長期にわたって積み重ねることで複利効果を得て、地域活性化(稼げる地域、誇りを持てる地域)につなげる

2023年3月に、観光庁が、登録DMOに対して「地域OTAの設置を2027年度末までに100%」「設置を積極支援」という方針を打ち出してから、ちいプラへの引き合いが急増しました。地域様だけでなく、ちいプラと自社製品を含めて提案したいというコンサル様やベンダー様もいらっしゃいます。

このうち、コンサル様やベンダー様には来るもの拒まずで、対応(=どうぞ含めてご提案してください)してきましたが「地域OTAの意義・価値」「地域OTAとは何であって、何でないのか?」がしっかりとクライアントに伝わっていないことが気になってきました。また、弊社が望んでいないことを「よかれと思って熱心に提案してくださる」、いわば「ありがた迷惑」な話も出てきました。

これらの課題への対応を考えてみたところ、根本的な原因は、「NYANGOが大切にしていること」がちゃんと伝わっておらず、利益至上主義のITベンダーとして見られているからではないか?という点に思い至りました。

その気づきをある方からの提案に対する返信として書いたのが以下の内容です。

NYANGOが大切にしているものは何か?を理解する一助としてしていただければ幸いです。

ちいプラ(地域OTA)を含めてソリューション提案したいベンダー様・コンサル様への手紙

〇〇様、バラバラと申し訳ありません。

色々とやりとりをしていて、どうもかみ合わないと思うことがあり、その原因は何かを考えてみました。

当方が思い至ったのは、弊社が「大切にしていること」がちゃんと伝わっておらず、一般的なITベンダーとして見られているからではないか?という点でした。

そこで、弊社が「大切にしていること」について補足したいと思います。お手数をおかけして申し訳ありませんが、ご確認いただけますようお願いいたします。

NYANGOが大切にしていること、NYANGOは何であって、何でないのか?

まず、弊社は受託開発企業ではありません。
持続性がない非ストック型の資金(=助成金・補助金)が原資となる構築費や固定費で稼ぐことには興味がありません。興味がないというよりも、公金の中間搾取型ビジネスモデル(=現場で汗をかく人でなく中間支援者が多すぎる)が日本の長期衰退を招いている大きな原因の一つと考えているので嫌いです。

ちいプラを活用して既に成果を出している地域・団体からは、時間換算で3~5万円の報酬を得られるビジネスが確立されています。
これはストック収入(=持続性あり)です。その地域・団体にとっても圧倒的なコスパなのでWin-Winです。

ですので、ちいプラの拡大をやめて、ストック収入を維持したまま、上級エンジニアとしてあくせくせずに働くような選択がいつでも可能です。M&Aオファーもいただいているので事業売却も可能です。

このように経済的な不安はないので、弊社にとって最も希少なリソースは「時間」です。
(導入したばかりの地域は持ち出しですし、手間暇かかるので)
今年55歳になり人生の先もみえてきているので、目先の金儲けより、やりがい・社会貢献が大事です。
弊社代表は、アスペルガー傾向があるので、意にそわない(指示される)ことは、極端に嫌いです。

NYANGOの関心ごと

弊社にとっての最大の関心ごとは、その地域に成功できる準備と覚悟があるか?です。

地域OTAを実現するのにちいプラのようなシステムは必須ですが、十分ではありません。システム導入はゴールではなくスタートラインにたったにすぎません。

古い常識や成功体験に埋没している人の批判や抵抗に臆することなく、地域のために汗をかく覚悟のある、胆力も実力も見識もある「人」がいるかどうかが決定的に重要です。

NYANGOの提供スタンス

導入先には困っていません。オウンドメディアのみで広告・営業活動ゼロですが、十分な数の引き合いをいただいています。

地域OTAは、最新のIT技術・コスト構造からもたらされる不可逆的・必然的な「ソリューション」なので、今後も増加が見込まれます。

ですので、導入検討地域の特殊な要望に無理に合わせるつもりは、まったくありません。

「(長年の実践で鍛えられて、今後も進化を続ける)とても良いシステム。地域課題解決につなげられるから、ぜひ使ってほしい」という思いはありますが、その一方で、新規開発したら5000万円かかるようなシステムを無償提供して、希少なコンサルティング(アンチパターンや勝ち筋)まで提供するのですから「提供してあげてる」という思いもあります。

■■■さん(導入検討している地域法人名)は、当地の地域活性化に重要な役割を担える立場にありますが、今は地域OTAを活用するための準備も覚悟もないので、本来であれば提供を見送る対象です。

ちいプラを含めてご提案いただくのは大変ありがたいことですが、上述したようなことを、念頭においていただけると助かります。

どうぞ、よろしくお願いいたします。