宿泊・アクティビティ予約システムはAIに代替されるのか?

ちいプラ(地域旅行商品販売プラットフォーム)は、地域OTA(地域型OTA、地域版OTA、観光DX)を実現するためのワンストップソリューションです。オンラインでの宿泊予約とアクティビティ予約とその管理に必要な機能を網羅しています。地域の情報発信、予約、決済、データ利活用まで一気通貫にサポートします。

はじめに

NYANGOでは、生成AI(ChatGPT、Github Copilotなど)を頻繁に利用しており「生産性の劇的な向上」という恩恵を享受しています。

ところでこの恩恵はずっと続くのでしょうか?生成AIが脅威になる可能性はないでしょうか?そんなことを考えたのは以下の記事が目にとまったからです。

「SaaS is Dead」時代のバックオフィスAI戦略――マネーフォワードの挑戦(1/5 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン

 「SaaSの時代は終わった」――。2024年末、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOがベンチャーキャピタリスト主催のポッドキャスト番組で放った一言が、ソフトウェア業界に衝撃を与えた。

弊社のちいプラもSaaS(Software as a Service )に分類されます。利用者は、情報システムを所有せず利用に徹することで、高度な情報システムの知識がなくても、社内にIT部門がなくても、特別なソフトウェアを端末にインストールしないでも、「いつでも」「どこでも」「高機能な情報システム」を「安価」に利用することができます。これがSaaSのメリットです。

ちいプラを西暦2000年頃(じゃらんnetや楽天トラベルが登場した時期)に開発・運用したとすると、どれくらいの費用が必要だったニャ?

開発費は少なくとも5,000万円。サーバー費は毎月30万円。保守運用費は80万円は必要だったはずニャ

た、た、たかいにゃー。チュール換算したら・・・💦

さて、ちいプラは、AIに淘汰されるでしょうか?個人的には、直近2・3年ではされない。早くとも10年は要する。と考えています。理由は以下の3つです。

  • 複雑だから・・・ここは時間の問題
  • 100%の正確性が求められるから・・・空きがないのに予約できてしまったり、実際の料金が違っていることは許されません。AIは統計ベースなので100%は期待できません。
  • リアルタイム性が重要だから・・・在庫は分単位で変動します。APIで代替可能ですがAPIを提供するかどうかはこちら側が制御できます。

この考察をChatGPTにコメントしてもらったのが以下です。GPT-5なので忖度は控えめと思われます。また「このあたりはAIが活用できるのでは?」という提案もしてくれました。

それにしても、ChatGPTの考察力・要約力は凄いです。このアウトプットに20秒もかかってません。もはやコンサルとか営業支援とかデータ分析といった「完璧でなくてもよいもの」「リアルタイム性がいらないもの」に該当する知的労働は淘汰必至ですね。。

宿泊・アクティビティ予約システムとAI代替可能性の分析( by ChatGPT )

1. 宿泊・アクティビティ予約システムがAIに代替されにくい理由

予約系システムは 「トランザクション処理(業務システム)」的性格 が強いため、AIが完全に代替するのは難しい領域です。

  • リアルタイム性
    在庫(部屋数、座席数、アクティビティ枠など)は分単位で変動。レイテンシーやAIによる推測が介在すると「二重予約」や「残数誤り」のリスクが即座に発生。
    → このためAIではなく、堅牢なDBトランザクション管理・API連携が不可欠。
  • 正確性の要求
    料金やキャンセルポリシー、残室有無は誤差が許されない情報。AIの推測や生成より、正解を1つに収束させること が求められる。
    → AIは自然言語インターフェースやレコメンドには役立つが、根幹の予約確定処理は既存システムに依存。
  • 業務ルールの複雑さ
    ホテルの料金体系(曜日・季節・人数・キャンペーン適用など)、旅行会社の契約条件、地域ごとの規制などは膨大で多様。
    → これを汎用AIに置き換えるのは難しく、むしろ既存の「業務ロジック+ルールエンジン」にAIを補助的に組み合わせる方向が現実的。

結論: 予約システムは「AIが代替する」のではなく、AIがフロント部分(検索・レコメンド・問い合わせ対応)を支援し、最後は既存の業務システムに正確な処理を委ねる のが妥当。

2. 【参考】AIで代替しやすい領域

「リアルタイム性・正確性の絶対性」がそこまで要求されない領域はAIが得意。

  • データ分析
    統計処理や予測モデルは人間が「設計・解釈」していた部分をAIが高速化可能。誤差があっても許容されるケースが多い。
  • コンサルティング
    ケーススタディの横展開や提案資料の作成など、「納得感が重要だが100%の唯一解がなくてもよい」領域はAIが効率化しやすい。
  • 営業支援
    顧客情報整理、メールや提案書のドラフト、商談の会話ログ要約など、AIの生成力・要約力が直結して役立つ。

「確率的な回答でも十分に価値がある」領域はAIによる置き換えが進みやすい。

3. 【補足】予約システムでもAIが活躍できる部分

完全な代替は難しい一方で、以下の補助領域ではAIが価値を出せる。

  • 検索ナビゲーション
    ユーザーの曖昧な要望(例:「海の近くで、子供向けプールがあるホテル」)を自然言語で解釈。
  • 需要予測・価格最適化
    需要変動をAIで予測し、ダイナミックプライシングを支援。
  • 問い合わせ対応
    予約変更やキャンセルルール説明を自然言語で行う。

「基幹処理は業務システム、周辺体験はAI」 という分業が現実的。

まとめ

  • 宿泊予約システムのように「正確性・リアルタイム性・複雑な業務ルール」が絡むものはAI単独での代替は難しい。
  • 一方で、正確性100%が必須でない「分析・提案・支援」系業務はAIに置き換えやすい。
  • 予約領域でも、フロント部分や周辺業務にはAIが活躍できる余地がある。

👉 今後は「予約システムの基幹部分(トランザクション処理)は残りつつ、顧客体験部分はAI主導にシフト」する方向性が大きな流れになる。

余談

ちなみに「旅」向けの予約システムと、「ビジネス」向けの予約システムはわけて考える必要があります。求められるものがまったく違うからです。「旅」では、共感や感動といった情緒が重要です。「ビジネス」では効率・コストが最優先されます。

後者の「ビジネス」向けの宿泊施設(ビジネスホテル)は、とことん無人化・自動化がすすむと思います。清潔で、寝れて、広い風呂があればOK。食事もおもてなしも感動も不要。

ちいプラは「旅」向けのシステムとして「おもてなし」を念頭におきながら進化していきます。