AI時代は内製システムしか勝たん

ちいプラ(地域旅行商品販売プラットフォーム)は、地域OTA(地域型OTA、地域版OTA、観光DX)を実現するためのワンストップソリューションです。オンラインでの宿泊予約とアクティビティ予約とその管理に必要な機能を網羅しています。地域の情報発信、予約、決済、データ利活用まで一気通貫にサポートします。

はじめに

ChatGPTとそのプログラミング特化版であるGithub Copilotの登場によって情報システムの開発生産性が劇的に向上しました。

この時代に情報システムの競争力や価値を決定づけるものは何でしょうか?

そのシステムが解決しようとする課題のとらえ方や解決アイデア、資金力、技術力、アライアンスなど色々な要素が考えられますが、重要(かつ見落とされがち)な1つが「内製化」です。

本記事では、なぜ「内製化」がそれほどまでに重要かを整理しました。

生成AIがもたらす恩恵を享受するために必要な要件

生成AIという極めて優秀なアシスタントは安価に利用できます。ChatGPT PLUSは20ドル、そのプログラミング向けサービスであるGitHub Copilotは10ドルです。月額わずか30ドルで主要なプログラミング言語、フレームワーク、OS、ミドルウェア等に精通したアシスタントの力を借りることができるのです。夢のような話です。まさに革命です。

ただし、この生成AIの恩恵を享受するには条件があります。業務とプログラミングの両方に精通している必要があります。 業務知識(地域OTA運営、宿泊予約、体験予約等)に精通していなければ、適切なプロンプトを導けず出力の精度は落ちます。 技術に精通していなければ、生成AIの出力を理解できませんし、微妙な誤り(=プログラミングにおいては致命的)を検知して修正することもできません。

業務知識と高度なプログラミング力の両方を備えた人材は極めて希少ですが、NYANGOにはいます。ちいプラを設計開発しているエンジニアは複数の会社で技術責任者をつとめていました。現場のプレイヤーとしては「仕事がむっちゃ速い!」「(炎上案件を鎮火して)あなたがいなければ完成しなかった。本当に助かった。」と様々な案件で絶賛されたほどの凄腕です。

内製システムでなければ生成AIによる生産性向上の恩恵を享受できない

さらに、生成AIによる生産性向上の恩恵を受けるには、システムを内製している必要があります。外注している場合、恩恵は受けることはできません。

なぜかと言えば、外注(=時間単価や頭数に対する支払い)している場合、外注先は生産性を高めるインセンティブが乏しく、最新テクノロジーの活用に消極的だからです。優秀な人材ほど最新テクノロジーの活用に前向きな環境を求めるため、そうした意欲を欠く組織にはよい人材が定着しません。その結果、組織としての生産性は時間とともに低下します。

また前述したとおり、生成AIを有効に活用するには、業務とプログラミングの両方に精通している必要がありますが、外注している場合は、必然的にこのスキルが分散(業務知識=発注元、プログラミング=外注先)してしまいます。

この結果として、システムを外注している場合、その発注元は生成AIによる生産性向上の恩恵を全く得られないのです。

NYANGOはシステム開発を内製しているので生産性向上の恩恵を最大限に享受して、お客様に還元することができます。

余談/日本の生産性を低迷させ続ける悪しき「多重下請け構造」とは?

日本のIT業界の問題点として「多重下請け構造」になっていることがよく指摘されます。

プライムベンダーと呼ばれる一次請けの大手IT企業(NTTデータ、富士通、NECがITご三家)を頂点として、3次請け、4次請けはては7次・8次までもあると言われています。階層を経るごとに「工賃」が中間搾取される構造で、押しの強い 口が巧みな営業(業界では侮蔑的な意味を含む「手配師」と呼称することが多い)が跋扈して、末端で働くITエンジニア(一般的に生真面目で押しが弱い)は薄給を強いられます。

また末端にいる人は「上の階層からおりてきた指示にしたがって実装・試験するだけ」の存在なので、業務知識や提案力を磨くこともできません。

当然、優秀な人材が定着するべくもありません。

このような構造があるため、現代の日本の大規模なシステム開発(官庁系や金融系)で実際に手を動かしているITエンジニアのスキルは「かなり低い」というのが業界の共通認識です。(官庁系のシステムが驚くほど使いづらいのは、このように優秀な人材がいないこと一因です)

また、頂点に近い発注元、一次請け、二次請けには「企画」「設計」「営業」は上手でも「実務のプログラミング経験がゼロもしくはほとんどない」人ばかりになっています。これでは生成AIが出力するコードをコピペすることはできても、微妙な間違いに検知することも修正することもできません。

世界と比較したときに顕著な「日本の生産性の低迷」はこういった構造にも一因があるのです。

PwCのDX意識調査で明確になった内製化の重要性

PwCの「2024年DX意識調査 – ITモダナイゼーション編 -」が発表されました。多くのWebメディアの主要ニュースとして報じられたので目にした人もいらっしゃるでしょう。

このレポートでは、ITモダナイゼーションを推進する企業の中で、システム開発や運用の内製化がDX成功の鍵となっていることが強く示唆されています。

特に「先進」企業では、システム開発・運用のほぼ全ての役割を自社社員が担当している割合が91%に達しており、内製化が進んでいることが明らかです。この内製化の進展により、デジタル人材の育成やシステム運用の自動化が促進され、DXの成果が期待通り、もしくはそれ以上であると感じる企業が増加しています。一方で、内製化が進んでいない企業では、DXの効果を十分に実感できていない傾向が見られます。このことからも、システム開発や運用の内製化がDX成功の重要な要素であると考えられます。

NYANGOは「内製化」だけでなく「アジャイル開発」「クラウドネイティブ」も満たしています。

上記のPwCのレポートでは、DXの成果を得るために重要な要件として内製化の他に「アジャイル」「クラウドネイティブ」も示唆しています。ちいプラは「クラウドネイティブ」な製品ですし、開発プロセスもアジャイルです。これによって、従来型のシステム開発現場とは比べ物にならない機能改良ペースを実現しています。(ちいプラの機能改良履歴を見る

PwCレポートの図表2:「ITモダナイゼーション成熟度」の定義 より

まとめ

本記事では、AI時代に情報システムの競争力や価値を決定づけるものとして「内製化」が極めて重要であるという考えを述べました。

多くの類似製品と異なり、「ちいプラ」は内製しています。さらにPwCレポートが重要な要件としてあげている「パブリッククラウド」「アジャイル開発」にも適応しています。システム選定する際に参考になりましたら幸いです。