地域OTAの要件、地域OTAもどきとの違い
ちいプラ(地域旅行商品販売プラットフォーム)は、地域OTA(地域型OTA、地域版OTA、観光DX)を実現するためのワンストップソリューションです。オンラインでの宿泊予約とアクティビティ予約とその管理に必要な機能を網羅しています。地域の情報発信、予約、決済、データ利活用まで一気通貫にサポートします。
ページコンテンツ
はじめに
この記事では、弊社が考える「地域OTA」のメリット・要件を整理してみました。あわせて、よく見かける中途半端な「地域OTAもどき」のモデルを「エセ地域OTA」として具体例をあげてみました。
地域OTAの目的
弊社が考える地域OTAの目的は、以下のとおりです。
地域OTAの目的
『地域外に流出している莫大な成約手数料が地域内で循環することにより、地域内にデータが蓄積されて、地域の魅力を訴求できる人材が育ち、地域に定着(雇用)する。これにより地域ブランドを向上させるための地域横断的な取り組みが持続可能となり、地域活性化に貢献する』
地域OTAの要件
地域OTAの目的から地域OTAに必要な3つの要件が導かれます
- カネ(地域外に流出している成約手数料)が地域内で循環すること
- データ(地域外に流出している予約データ、顧客データ)が地域に蓄積されること
- ヒト(デジタル人材)の雇用・育成の受け皿となること(まちづくりは人づくり)
これらの3つの要件を全て満たすことで、はじめて、地域ブランドを向上させるための地域横断的な取り組みが持続可能になり、地域活性化に貢献できます。これが弊社の考える地域OTAの要件です。
エセ地域OTAについて
地域OTAの要件について前述しました。次に「似て非なる」ものとしてエセ地域OTAについて例をあげてみたいと思います。本当に勿体ないことをしているとよく感じます。
大手予約サイトへのリンク設置/アフィリエイト収入
よく見受けられるのが地域の宿泊施設やアクティビティの情報を網羅したホームページを制作して、実際の予約は大手予約サイトから行うという形です。このホームページを大手予約サイトや大手旅行代理店からの提案で制作している場合、「アフィリエイト収入」がその地域に支払われることもあるようです。
このパターンは、かろうじて要件の1(カネが地域に落ちる)を満たしますが、要件2(データの蓄積)も要件3(人材の育成・定着)も達成されません。したがって地域OTAとはいえません。
各宿泊施設や事業者サイトへのリンク設置
地域の宿泊施設やアクティビティの情報を網羅したホームページを制作して、各宿泊施設や事業者のホームページにリンクを設置するという形です。
この場合、要件の全てを満たさないので、地域OTAとはいえません。
エセ地域OTAに陥らないための留意点
エセ地域OTAは、ホームページを制作するだけですので、手軽に始めることができます。制作費用を国の助成金で賄えることも多いです。資源(人、スキル、カネ、データ)の限られた地域にとって魅力的であることは確かです。が、地域活性化への貢献度は限られています。地域のブランドを向上させて、他地域と差別化することはできません。
地域OTAに取り組もうとした時は、そもそも何を実現したいのか?を吟味して必要なものを見極めることが肝要です。
また、エセ地域OTAを提案してくるのは、既得権を守りたい「大手の予約サイト」や「旅行代理店」であったり、システム開発・運用能力のない「地域創生コンサルタント」や「WEBサイト制作会社・デザイン会社」のようです。その提案内容を見てみると、彼らにとって地域活性は「方便」であり、本音は「既得権死守」「自社利益」のように感じます。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、このあたりの認識も踏まえて、検討すると良いのではないでしょうか?
この点、弊社は「地域OTAの成果が出なければ、弊社も存続できない」という覚悟でで取り組んでいます。表現を変えると「地域と運命共同体にある」という意識です。見ているゴールは同じです。良質なシステムを持続的に提供するために正当は対価は請求させて頂きますが、その「動機」「本気度」は、前述した既得権者、コンサル、WEB制作会社とは大きな違いがあることをご理解いただけると幸いです。
付録.観光庁がイメージする地域OTA
観光庁も「地域OTA」の取り組みを好意的に評価しています。たとえば2022年12月6日に発表された「観光DX推進のあり方に関する検討会(中間とりまとめ)」では、以下のように記述されています。
5ページ
地域や事業者が運営するウェブサイト等において、予約機能や決済機能を導入しておらず、利用者が情報閲覧から予約・購買にシームレスに移行できない状況となっている。その結果、旅行者が旅マエ・旅ナカに係る手続を一度で完結できず、利便性が低い状態となっており 、地域・事業者にとっては顧客獲得の機会を損失してしまっている。
5ページ
特に、中小規模のアクティビティ事業者等においてはオンラインでの予約・決済が進んでおらず、公的な施設である水族館や美術館等においても、一部予約・決済ができていない施設もある
7ページ
地域において、そのブランドに適した地域OTA、ECサイト等のウェブサイトを構築して地域一体となった情報発信を行うことは、有効な課題解決策の一つである。特に、上述の情報掲載手法が分からない事業者や情報掲載に係る作業人員やコストを捻出することが困難な事業者の多い地域においては、有効な取組と考えられる。
8ページ
旅行者の旅マエ・旅ナカにおける予約・決済等の手続を一度で完結させるためには、オンライン予約・決済システムの導入が有効。特に地域が運営するウェブサイトにおいては、オンライン予約・決済システムを導入し、情報閲覧から予約・決済までをシームレスに繋ぐことで、サイト訪問者の購買率を高める事が可能である。
ちいプラは、この資料に記載されている要求を完全に満たしています。ご参考になれば幸いです。
“地域OTAの要件、地域OTAもどきとの違い” に対して2件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。